任田進一展
-CORRELATION-

   2003.2.3〜11
 

作品を作る上で大切にしている要素を思うと、手術で皮膚を切った後に、暫く続いた鈍い痛みが忘れられない。 それは始め、私にとって単純な嫌悪感であったが、傷が塞がってくる内に、痛みとは異なる感覚を覚えるように なった。大げさにいえば、自身の生命力のようなものを、生々しく実感していた。傷が生み出すその力は、私の 中で無視できない存在感を持っていた。 傷ついて崩壊するとか、磨かれて光るといった、「モノ」が相関することで、表情が変わるタイミングやその結 果に、私は存在の証が宿るように思えてならない。 最近の私の制作行為は、土と水の相関場面の状況を設定することである。そして土の塊が水中で、ゆるやかに崩 壊していく様子に、光りをあてる。時間を経て塊は完全に崩れ落ち、ケースの中には、水と、土に含まれていた 気泡だけが残る。しかし様々に形を変え、水と戯れていた土の塊は、ただ空気中に在る状態とは異なる表情を、 水中で見せつけていた。私は、こういった状況が変化することで発生する、存在の力をとらえていきたいと考え ている。