神谷徹 新作展
velvet's deer        

    

2004.6.21-7.3

 

□□□ 神谷徹 KAMIYA Toru □□□
1969 愛知県に生まれる
1992 東京芸術大学美術学部油画科卒業
1994 東京芸術大学美術学部油画科大学院修了
1994 アイルランド政府奨学生としてダブリンの National College of Art &Designに留学
2003 京都造形大学助教授


90年代半ばに私が初めて出合った神谷作品は、たくさんの小キャンバスが2色に塗り分けられてギャラリー空間に構成されていた。描かれた色面は、見える色を強く認識させながらもその奥の見えていない多くの色を想像させる力を持っていた。一見エアーブラシで制作されたかのようにシンプルに見える作品は、顔料、膠、アクリルを混ぜて作った色彩を、筆で丹念に塗り重ねて完成させている。近作の、写真に撮った風景や静物を描いた作品群。その中から溢れてくる光の中にも、色の集積を見る事が出来る。この絵に向かう時、色の世界は光の世界だと再認識させられる。神谷作品には、一貫したインスピレーションの源が有ると、私は常に思う。それが何かと、作家自身真摯な姿で制作に立ち向かい、問いかけている。ここに神谷自身が書いた文章があるので引用する。
僕の作品は、一見した所、ただの風景であったり、何も描かれて無い色面に見えるものもある。画面上に描かれているものは状況説明のできる具体的なものであったり、色の組み合わせで成り立っているものかも知れないが、それらは本当に描かれているもの、または描きたいものではない。僕が画面に描いているものは、此所ではない何処かへ行くための取っ掛かりに過ぎない。それらは絵に入り込んでいくためのきっかけであって、たまたまそのような形をとっているだけなのである。作品はものの周りにあったもの、前後に起こった事いったものが混じり合って一つになっている。そのような事柄を描くことで、見えそうで見えないもの、ものの気配を絵として具現化したい。これが僕にとって1+1が2で無いものであり、「絵」に立ち向かっていく僕の姿勢である。(府中市美術館『Zone』展カタログより抜粋)
抽象的な美の概念を理論づけていく事は非常に困難だが、作家の中の一定の規則を見つけ出し、作品の内側に入っていけたらと願っている。本展は、以前にも増して自由な作品展開を見せる神谷の新作を中心に、約8点の作品で構成される。  竹下都(本展覧会企画)             



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