保科豊巳 個展
鷹見明彦(美術評論家)+ 表参道画廊 企画
2006.3.28-4.8



丘の上の拝所への道のように、仮構されたスロープの通路をあがると、一本
の木があり、そのむこうには反転して流れる滝の映像がある。闇の中にうが
たれた〈井戸〉を覗くと、こちらを見つめるフクロウが映って、天井には逆
さの雨樋やひさしが配されている。・・人間の身心の基にある記憶のプール
を、世界に結びつけ更新するために、きのうの人々が習熟していた空間への
働きかけや術の多くは、精気を失った慣習や儀礼の場へと変質したが、保科
豊巳の近作からは、かつて結界や拝所で身体性をもって機能していた〈世界
のシフト・チェンジのためのレイアウト〉を、現在に再編しようとする志向
が読みとれる。

                       鷹見明彦(美術評論家)


「そこはここ、ここはそこ」 2005年 柳、レンガ、、液晶モニター、空間 1200×6000×1800cm 成都ビエンナーレ展出品作品 

 

私の作品は生活している日常から発生し、実在する物質を空間に身体が介在することで 起こる場の意識を「ここにいる」という実感と「あそこにいる」という実感を共在させる中性的な場を出現させることにある。それは世界の中にある 結界そのものを生きることになる。        保科豊巳  

 

□保科 豊巳  

 

[略歴]

1953 長野県生まれ

1979 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業  '81同大学院修了   

1984 同大学院美術研究科博士後期課程満期退学

1993 明星大学芸術学科助教授(〜'94)

1995 東京芸術大学絵画科油画研究室講師 '97〜助教授

2002〜03   文部科学省在外研究員として渡米、アメリカ及びヨーロッパの環境芸術

            インスタレーションの新しい可能性について研究

 

[展覧会・受賞]

1982「第12回パリビエンナーレ」パリ市立近代美術館

1983「素材と空間展」福岡市美術館、「日本の現代美術展」 スイス国立歴史博物館、ラス美術館/ジュネーブ

1984 「今日の造形?木と紙展」岐阜県立美術館

1985 「第3回国際彫刻ビエンナーレ」Sukironia Museum/アテネ

1986 「日本の現代美術展」国立台北現代美術館/台湾

1987 「第3回モーベイジュ国際彫刻展」モーベイジュ美術館/フランス

1989 「今日の表現?地・間・余白」埼玉県立近代美術館

1990 「INSTALLAT」 HET APPOLLOHUIS/オランダ、

      「リサーチC.Oプロジェクト」ライデン・オランダ

1992 「結いの高欄道プロジェクト」長野〈日本建築工芸協会賞受賞〉

1997 「日本現代美術展」ソウル国立現代美術館/韓国

1998 「環太平洋現代美術展」福州市立美術館、

      「デュッセルドルフ現代美術交流展 デュッセルドルフクンストリウム」ドイツ

2000 「人、自然、そして祈り in Japan 」長野県信濃美術館

      「新潟県妻有トリエンナーレ」新潟

2001 「発生の場/ドローイング」東京芸術大学大学美術館付属陳列館

2002  第10回ランタン・オブ・ザ・イースト・エイペックス・インL.A

            (ドイザキギャラリー、日米文化社会センター、カリフォルニア州立ロスアンゼルス

             ギャラリー、エンジェルスゲート文化センター)ロスアンジェルス、U.S.A

2003  第2回「大地の芸術祭」妻有トリエンナーレ展(新潟),「変様する家」展, 松代,

      「コラボレーション展」Walch Galery, シカゴ、U.S.A 

2004  2人展(保科豊巳、北川原温)東京、アルスギャラリー,「言の問い」展 平櫛 田中邸

「VOICE OF SITE」展、 旧坂本小学校

2004  「VOICE OF SITE」ニューヨーク展、SVAギャラリー ニューヨーク、U.S.A ,

       サスチィナブルアート展, 東京

    東京芸術大学絵画科油画教員展、日本橋高島屋、東京、

『出会い』日韓国際交流展、 ソウル市立美術館、

[個展]

コバヤシ画廊/東京('81、'83、'84、'87、'90、'92)ギャラリーなつか/東京('90、'92、'97)

ギャラリーフィナルテ/名古屋('95)