大犬展 (だいいぬてん)
犬をテーマにした展覧会

参加作家:浅田香織 荒川奈津季 井上篤 上原修一 大口典子 大原知沙 岡田共代
小田原鈴子 川崎ちえ 鶴田崇 富澤侑加 長野順子 中村周史 中村直彦 中村未来
蜂巣裕和 
まさなりみゆき 松本里美 宮本夏 山本大地 444-13

美術作品となったイヌたちを見ていると人間との距離の変化が見えてくる。ヤン・ファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻の肖像」(1434)やアンリ・ルソーの「結婚式」(1905年頃)では誓いの儀式のかわいい証人として登場している。夫妻の足下でこちらを向いている荒毛の小型犬はベルジアン・グリフォンに似ているが毛が長い。正面で目立っているルソーの黒いイヌは短い足と耳の形かダックスフンドのようだ。いずれも良きコンパニオン(同伴者)として誠実さの象徴として描かれている。ナショナルギャラリー(ロンドン)では半端な数ではないイヌたちと出会うことができる。ゲインズバラやレノルズやホガーズなどの肖像画には必ずと言ってよいほど傍らにイヌが描かれ、ヴィクトリア朝時代になるとそれはおびただしい数になる。 均整がとれて優雅な毛並みを誇る美しいイヌたち。人類の忠実な伴侶。イヌたちは用途別に品種改良され、その種を増やしていった。一方でイヌの原始タイプは日本犬に近いものだったと言われている。中型で茶褐色、尻尾は垂れていたが、家畜化が進んでいく中で巻き上がっていった。イヌの存在の有様を日本犬が表象できるだろうか。須田国太郎の「犬」(1950)のように感情移入の対象(モティーフ)として選ばれてしまったイヌもいる。また伊藤若冲の「百犬図」では同じイヌがポーズを変えて何度も描かれたように見える。イヌそのものを描いているのではなくイヌを通して観察者の内面が描かれた。若冲の場合は尋常ではない世界が見え隠れしている。群生活を基本にしたイヌの習性において、飼い主は狩りのリーダーであり、命令を下す存在である。しかし、その共生の長い歴史の中でそおの堅個な関係は大きく変貌していく。人間の優位性は消えコンパニオンとしての友愛関係となった。太古よりつちかわれた信頼は細い絆にもかかわらずますます強固なものになっている。しかし、それは人類からの一方的なラブコールであることに変わりはない。仕掛けるのはいつも人間であり、イヌは無限大に寛容な他者なのである。 伊藤憲夫 (美学校講師)

 

協力:美学校 http://www.bigakko.jp



浅田香織
群馬県生まれ
東京家政大学服飾学科美術専攻卒業
美学校マンガ視聴覚室受講

荒川奈津季
埼玉県生まれ
美学校写真工房で学ぶ 

井上篤
福岡県生まれ
桑沢デザイン研究所卒
美学校マンガ視聴覚室在籍 

上原修一
長野県生まれ
これまで飼った犬4匹。現在アイボ・陸之シン飼育中。 

大口典子
和光大学卒業
美学校マンガ視聴覚室在籍 

大原知沙
埼玉件生まれ
美学校銅版画B工房・生涯ドローイングセミナー在籍

岡田共代
美学校、セツ・モード 入学
美学校銅版画工房在籍

小田原鈴子
美学校絵画教室在籍
紀伊国屋書店社内報表紙に作品を掲載中。 

川崎ちえ
美学校銅版画A・リトグラフ工房受講
AESS伊藤憲夫講座・スタディスト養成講座受講  

富澤侑加
美学校写真工房・生涯ドローイングセミナー在籍 

鶴田崇
美学校シルクスクリーン・リトグラフ工房受講

長野順子
東京芸術大学美術学部建築科卒業
同大学院美術研究科建築専攻修了
美学校にて銅版画を学ぶ  

中村周史
美学校マンガ視聴覚室・写真工房在籍 

中村直彦
 

中村未来
女子美術短期大学造形絵画卒業
渡仏
美学校石版画工房に学ぶ 

まさなり みゆき
美学校造形基礎・絵画・マンガ視聴覚室在籍 
伊藤憲夫講座・スタディスト養成講座受講

松本美里
法政大学文学部哲学科卒業
セツ・モードセミナー研究科卒業
東京版画研究所、ザボハウスで学ぶ 

蜂巣裕和
東京生まれ
愛犬チャミをこよなく愛す。 

444-13(神谷幸代)
多摩美術大学卒業
美学校AESSスタディスト養成講座受講