画廊選抜展
湊七雄 × 中村未来 二人展


2008.9.29-10.4

会場:表参道画廊 



2006年にベルギー・フランスでの活動を軌道にのせて帰国し、福井
大学美術学科准教授として拠点を日本にもどした湊。スウェーデン、
ルーマニア、フランス、ベルギー、日本(金沢、京都、東京)での
個展発表では着々と成果をおさめている。Pvcエッチングの作品は
作家の生活圏のイメージとそこを取り巻く自然環境に根ざす深層心理
を表しているかのような静けさと安堵と不安を感じさせる。




私は浅い眠りから覚めたのか
それともまだ眠っているのか

水の音が聞こえる。
その旋律が身体に刻まれて行く

深い青に吸い込まれて行く記憶
眼をとじて、森から溶け出した空気を深く吸い込む

私はやはり眠っているのだろう

                 

今回発表する作品は全てPVC(塩化ビニール)を版材とした技法による
ものです。ベルギー時代に、このPVCエッチングに出会ってから10年が
経とうとしています。その間、より豊かな表現を追求し、凹版と凸版の
要素を取り混ぜた現在のスタイルにたどり着きました。
 エディション(max.3)が極端に少ないのは、この版の耐久性の低さ
にありますが、その儚さが、自分の世界観を具現化するために欠かせない要素だと感じています。
                         湊 七雄
     



□湊 七雄 (Shichio Minato)

1972年    三重県生まれ。
1997年    スウェーデン・ヴァランド芸術学院留学。
1998年    金沢美術工芸大学美術美術学科油絵専攻卒業。
2000年    ベルギー・ゲント王立美術アカデミー大学院版画専攻修了。
2003−05年 フランス・サンテチエンヌ美術大学レジデントアーティスト。
2006年より  福井大学教育地域科学部美術科 准教授


EDUCATION:

2001 Post-diploma-Intership Program at S.M.A.K. Gent Belgium
Diploma:Conservation Manager of Contemporary Arts
2000 Royal Academy of Fine Arts (Hogeschool Gent,KASK),Gent Belgium
Department of Fine Arts, option:printmaking
Diploma:Master of Fine Arts
1998 Kanazawa College of Arts, Kanazawa Japan
Department of Fine Arts. option:painting
Diploma: Bachelor of Fine Arts
1997 Konsthogskolan Valand, National Academy of Fine Sweden
Guest student at Printmaking Atelier

SCHOLARSHIPS:
2003-2004 International Ambassadorial Scholarship of the Rotary Foundation
2001-2002 Special Scholarship of the Flemish Govermment
1997 Ambassadorial Scholarship of the city of Kanazawa ,Culture Division

PROFESSIONAL EXPERIENCE:
2006- present Associate Professor of Visual Arts, Faculty of Education and social Studies,University of Fukui, Japan
2003-2005 Assistant, Printmaking Atelier,Ecole des Beaux-Arts de Saint-Etienne,France



 




 湊七雄
「reflection 2007」190×480cm 
pvc etching on paper
 










□中村未来 (MIKI NAKAMURA)

略歴
1972年     東京都出身
1990年      女子美術大学付属高等学校卒業
1992年      女子美術短期大学卒業
1995−2002年 美学校石版画工房にて版画制作

展歴
1996−1999年 美学校石版画工房展(銀座 画廊春秋)
1999年    「版との接点」展(神保町 文房堂ギャラリー)
2000年     個展(柳橋 ギャラリーURANO)
2001年     第78回春陽展(東京都美術館)
        「未来への視座」展 (銀座 T-BOXギャラリー)
        「AT HOME X´MAS」展(丸の内 古河林業本社ギャラリー)
2002年     「 ラール・ヴェリテ リトグラフィにて版画制作(〜2008)
          第79回春陽展(東京都美術館)
          個展(青山 ウイリアム・モリス)
         「ラール・ヴェリテ」展(六本木 AXISギャラリーアネックス)
          個展(柳橋 ギャラリーURANO)
2004年      第81回春陽展(東京都美術館)
          第73回版画展(東京都美術館)
         「ラール・ヴェリテ」展(六本木 AXISギャラリーアネックス)
2005年       二人展渡辺一人×中村未来(六本木AXISギャラリーアネックス)
          第82回春陽展(東京都美術館)
          第73回版画展(東京都美術館)
          大犬展(表参道画廊)
2006年      個展 新作家たち(鷹の台 松明堂ギャラリー)
          第83回春陽展(東京都美術館)
第74回版画展(東京都美術館)
MINI PRINT INTERNATIONAL-CADAQUES(スペイン)
「ラール・ヴェリテ」展(府中美術館 市民ギャラリー)
2007年 二人展河西成吾×中村未来(鷹の台 松明堂ギャラリー)
2008年     「ラール・ヴェリテ」展 (市ヶ谷 山脇ギャラリー)




●最近の制作について
昨年の2人展を終えて2点の大きめの作品(・湧くもの・むこうがわへ)を9ヶ月間制作していました。白地に描かれた長方形の内部を濃密な重い空間として描きたい気持ちで制作を開始。刷り上った完成作品を見ると制作の意図はかなっていたのですが、内面が現れすぎて少しウェットな感じがして違和感を覚えました。 なんとなくもやもやしていたところから手を動かしてかたちを探していったところ、今まで制作していた長方形を白い空間においた(制作を始めたころから字と図の関係が反転するような作品に興味があり、制作しています)作品を制作していましたが、長方形のかたち自体に新たな興味を持ち、だんだんと形がみえはじめました。 結果的に長方形が、より細く、長くなり中に描かれる空間自体が狭くなることに。 この細長くなった長方形の作品(・nagiが始めの作品です)を作り始めてからまだ間もないのですが、白い空間にかかれた形の比重が強くなりました。そしてほんのもう少し、細長い形の内部の空間をかんじるようなものに近づけていきたいと今は思っています。あまりウェットなものになりすぎないよう。 身近にある風景的なものをイメージにして作っていることに変化はないように思います。いつもの風景が闇にとけて、かたちが消えかかってきたり、その後明かりが反転して今まで見えなかった光が闇の中で強く見え始めたり、反対に朝方にほんのわずかな短い時間ですが、ものが白んで見え始めてくるころも一瞬時間がとまっているような、普通の日常がふと姿を変えるような気がして好きなので、そんなところから作品のイメージが作られていると思います。


・・日々作品作りをしながら考えていること・・・
人の思い。
作品と自分の距離が近づくこと。
絵をこわすこと。
ていねいな絵づくり。
いろいろなもののかたちが消えていくとき、見えはじめるとき。
海にぼんやり光があたるとき。
連動するかたち。
日常。。睡眠。。人間。。
きれいな旋律。
死んだ人のこと。
別の世界。
会わなくなった人。
むなしさ。。




 中村未来
「むこうがわへ」103×77cm 
リトグラフ 2008