画廊選抜二人展

  
船木美佳 × 好地匠

 



会期=2009年11月9日[月]−11月14日[土]
会場=表参道画廊
企画=表参道画廊




 今年の秋の二人展は、油画・日本画・版画と三期にわたり開催致します。
 第一期は、芸大の油画を卒業し、制作活動も円熟期に入ったといえる船木美佳と清々しい作品を制作している好地匠のお二人の近作・新作をご紹介します。

 船木美佳は、ロンドン大学時代に、展示空間に既存の壁面を摸したフェイク壁を制作したインスタレーション(1997)などを発表した。フェイクへの関心は、「ロンドンの、トウキョウの、ホッキョクの白いクマ」(2000)という映像、写真、立体を使ったインスタレーションへと向けられる。そこでは、神経症に患ったかのように一日中同じ箇所を行ったり来たりするホッキョクグマの不可思議な反復行動とその裏にある、祖国から拉致された北極クマの運命とフェイクの氷山だらけの現実を作品化した。2003年にはPS1にて、複数の動物園の6種類の動物たちの病的とも言える症状を四方に投影した映像インスタレーションを発表。同時にその観客たちもまた、知らず知らずに、展示空間の中を、反復しながら鑑賞することを意図した。鑑賞者を作品に引き込む作品から、ジグソーパズルを使った風景の再構築する作品などをへて、最近は昆虫や小動物をつかったコラージュを制作していたが、今回は、モノトーンの妖しい世界へ彷徨いこんだような平面作品を展示する。
 一方、好地匠は、船木が芸大助手を務めていた時に在学中で、大学院時代から一貫して、「螺旋状のもの」と「反転」をテーマに制作を続けている。リンゴの皮むきから始まり、ジェットコースターなど、空間のねじれを表現していく。近作では、大手製紙会社からロール紙の提供を受け、さまざまな景色を一筆書きのように切り抜いていく大作を制作している。裏面の鮮やかな赤とのコントラストが美的な感覚を研ぎ澄ますように見え隠れする。作品全体のイメージと色彩のイメージが不思議なハーモニーを奏でる、楽しくきれいな作品となっている。




船木美佳

 小説を読む際、描写されているストーリーとあまり関係していると思えない謎な風景が、ある暗さや色を伴って、その隙間から見える。

 それは私の誤訳の産物かもしれないし、別のルートで現れるのかも
しれない。また小さい挿絵なども、記憶違いで覚えている事が多く、たまにオリジナルをチェックすると、途端に記憶違いの方が消えたりして結構、残念に思う。

 作品をつくるときは、むしろその記憶違いの方を、捉えようとしている。
しかし、かのように、なんども対象を確認し観察しすぎるとかえって見えずらくなるので注意している。

 

 




 

「夜の湖」 2009




「月と遊ぶ」2009

 

◎船木美佳(ふなきみか)

東京在住

1991  東京芸術大学 美術学部油画科 卒業
1992  同大学院 美術研究科 修了
1998  University London Slade School M.F.A (Master of Fine Art)

展覧会歴

1998 " addressing 100years of fine art and fashion " 
ヘイワードギャラリー, ロンドン

2001 " 発生の場/ドローイング " 東京芸術大学陳列館, 東京

2002 " ファーストムーヴ " 東京国際フォーラム, 東京

    " 旅潭 " 東京芸術大学陳列館, 東京

    " scramble " ブルネイギャラリー, ロンドン

2003  " ファーストステップ " MOMA PS1コンテンポラリーアートセンター,
                            ニューヨーク
    " scramble " CCA, グラスゴー

    " プレゼンタ " 東京芸術大学陳列館, 東京

    " オープンスタジオ " BAD ファンデーション,ロッテルダム

2004 " happy hours " ハットンウォール, ロンドン

" happy hours " caffe line  rice+, 東京

" happy hours " caffe line 大山崎美術館, 京都

" happy hours " caffe line カノーヴァンギャラリー, 名古屋

2005  COLD PLAY  ワールドツアー 画像提供

2008  " 空気中 "  レストラン ヒルサイド。東京

                             その他



 



 

 


□好地 匠

制作について

 出品するレリーフ作品は、一枚の大きな紙からできています。中央がくりぬかれ、その両端を縮めることによって、紙が捩じれて反転し、表と裏が同時に見えるようになっています。

 これまでも螺旋状に剥かれたリンゴの皮が捩じれて反転し、表と裏が同時に見えるような写真作品や、ジェットコースターに乗るなどの行動モデルで、空間の捩じれを意識化する試みを作品にしてきました。

 いま取り組んでいる絵画作品でも、半透明な色紙の斑の重なりやブレによって、絵の向こうへの繋がりを意識化することを求めています。

 シモーヌ・ヴェイユという思想家が『重力と恩寵』のなかで「中間だけにあるもの」という意味の「メタクシュ」という言葉をつかっているそうです。 

 いま制作をするうえでとても惹かれる言葉です。

 



 

タイトル:縮れと緩み

サイズ:275×430×60 cm

技法・材質:紙

制作年:2009年

 

 


 



 

タイトル:林檎/景観/皮剥き

サイズ:222.5×378 cm(元紙サイズ)

技法・材質:スクリーンプリント、紙

制作年:2007年

 


◎好地 匠 (こうち たくみ)

1978年 奈良県生まれ
2002年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2004年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程美術専攻(油画)修了
2007年 東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻修了 博士号(美術)取得




個展
2005年 「好地匠展」(表参道画廊、東京)
      「アートフラッグプロジェクトvol,1 好地匠展ー林檎/景観/皮剥きー」
                         (みなかみ観光会館、群馬)

グループ展
2001年 「二人展」(東京芸術大学展示室)
2006年 「流展」(中央大学校Art Center、韓国・ソウル)
      「第5回中径展」(府中市美術館市民ギャラリー、東京)
2007年 「流展」(東京芸術大学展示室)
2008年 「舳展」(ノリギャラリー、東京)
2009年 「常総市まちなか展覧会 かわらないもの…」(茨城県常総市)
      他


ワークショップ
2005年 「アートフラッグプロジェクトvol,1 好地匠展ー林檎/景観/皮剥きー」
       にて『アートフラッグプロジェクト』(みなかみ観光会館、群馬)
      「アートフラッグプロジェクトvol,1 好地匠展ー林檎/景観/皮剥きー」
       にて『透明人間』(みなかみ観光会館、群馬)
2009年 「常総市まちなか展覧会 かわらないもの…」
       にて『透明人間』(茨城県常総市)