小川 佳夫




  

会期=2014年2月3日[月]-2月15日[土]
会場=表参道画廊
時間=12:00-19:00(最終日17:00まで)









「私が描きたいのは「記憶の底の光景」だ。 
具体的な景色が在るわけではない。 
甘味、温もり、湿り気、滑らかさ、匂い、官能性・・・
そういった、五感あるいは六感のどこかに潜み、 
ふとした拍子に記憶の水底から立ち上ってきて
束の間「見えた」と感じる、そういった光景だ。  
聖も性も包含する人間の「生」。
その生の痕跡を画布の上に表現したいと願っている。

               小川佳夫  2013年11月










乳香の丘へ  To the hill of incense   162×162?   キャンバスに油彩   2013







□小川佳夫 (おがわよしお)
        
1962年 静岡県藤枝市生まれ。
1990年 東京藝術大学大学院修士課程絵画科油画専攻修了
9月 アーティストビザを取得し渡仏
2007年8月までパリ在住
2007年9月より東京在住      



個展
2013/ 10/ 08年 ギャラリーf分の1(東京)
2013 年   MUSEE F (東京) 
2010/ 09年 GALLERY TERASHITA (東京)
2008年 表参道画廊 (東京) 
ギャルリ・ピエリック・トゥシュフー (ソー、フランス)
サンピエール・ド・モンルージュ (パリ)
  ノートルダム・ド・パントコット (ラ・デファンス、フランス)
2006年  アートカゲヤマ画廊 (藤枝)
2005年  エスパス・キュルトゥレル・ベルタンポワレ (パリ)
ギャルリ・アンドレ・マセ (パリ)
     ギャルリ・デュ・テアトル (カシャン、フランス)
2001年  ステュディオ・マレショウ (パリ)
2000年  アソシアシオン・シューベルティアード (パリ)
1992年  ギャラリー永井祥子 (東京)
1991年  ギャラリー白 (大阪)
1990年  ギャラリーQ (東京)
1989年  長谷川現代美術館 (焼津)


グループ展
2013年  絵画思考 藝大アートプラザ   (東京)
     東京藝術大学油画教員展サマーショー/日本橋高島屋   (東京).
2011年  FACE THE FAREAST 人形町Visions   (東京)
    「鷹見明彦追悼展」  表参道画廊+Mus仔 F  (東京)
2010年 「Salle de Recreation サル・ド・レクレアシオン 再創造の部屋」
      表参道画廊  (東京)
2009年 「開廊10周年記念展」 表参道画廊+MUSEE F  (東京)
「Black and White」 GALLERY TERASHITA (東京)
2008年 「シシュポスナウ」  原爆の図 丸木美術館  (埼玉)
「1st Small Format」  GALLERY TERASHITA (東京)     
2007年 「パリへ-洋画家100年の夢」  東京藝術大学美術館(東京)
新潟県立近代美術館(新潟) MOA美術館 (静岡)
「サロン・ド・モンルージュ」(モンルージュ、フランス)
     「グランプリ・ド・パントゥール・ド・サン・グレゴワール」
       (サン・グレゴワール、フランス)
2005年 「サロン・ド・モンルージュ」  (モンルージュ)
2004年 「美術における赤の哲学」ベルルグァード文化センター (ガンディア、スペイン)
     「カシャン・ビエンナーレ」 (カシャン)
      ギャルリ・パスカル・ヴァンネック (カシャン)
     ギャルリ・ド・モンパルナス (パリ)
1998年 「ジュンヌパントュール」  エスパス・エッフェル・ブランリー(パリ)
1994年 「VOCA」  上野の森美術館 (東京)
1993年 「表層の冒険 小川佳夫・館勝生」  モリス画廊 (東京)
1993/92/91年 「A-Value」静岡県立美術館 (静岡)
1991年 「TRANS-SURFACE 表面の再発見」 ギャラリー古川  (東京) 
1990年 「絵画論的絵画3」  ギャラリー白 (大阪)
1989年 「Envision 89」  ハイネケン・ビレッジ・ギャラリー  (東京)
     「絵画の根拠2」   ギャラリー白 (大阪)
1987年 「絵画の根拠」  ギャラリー白 (大阪)
      「水につかった白い梯子  岩井成昭・佐藤友則・小川佳夫 」  
                      東京藝術大学学生会館(東京)









2008年3月24日-4月5日 表参道画廊HPより


 立ち上がって両手をのばしたように巨きな色面が、そこにはある。
紫、緑、黄・・・色を闇に融かしたその広がりの上に、一閃の残像を
思わせる原色の筆跡。均質に延ばされた絵具の量は、それを生成した
刷毛のあとによって主観を消した色のフィールドに変わっている。
そうして洗い出された空間を擦過した筆あとは、いま負ったばかりの
痕(きず)のように生々しい。
 東京芸大を出て発表をはじめた1980年代から90年代前半には、
第1回VOCA展(1994)をはじめ、新世代の絵画をになう才能の一人
として評価を集めた小川佳夫。95年の渡仏以後、12年間のパリ滞在
をはさんで同じ方法によりながら、ゆっくりと海流とともに巡り育つ

鯨のような成長を見せる・・・。一見、鈍化された作法に映る小川の
画業は、錬磨された術中に収斂されてしまうのはなく、孜孜(しし)
として葡萄畑を育もうとする人の忍耐と歓びに近い。ひと房の収穫の
ために耕し苗を植え、剪定をつづける。それは大地という額のうえに
束の間の痕跡を残していく存在のサインにも映る。  

                   鷹見明彦(美術評論家)