東京写真月間2016呼応展     

 金子隆一企画 

「幻の海洋写真家
   ・木滑龍夫の世界」



    



会期=2016年5月23日[月]-6月4日[土]・日曜休廊
会場=表参道画廊
時間=12:00-19:00(最終日17:00まで)
企画=金子隆一(写真評論・写真史家)+表参道画廊











  木滑龍夫(1897〜1941)は、北海道小樽で活躍したアマチュア写真家です。木滑は 1923(大正12)年から汽船会社の無電局長として船に乗り組み、1930年代に入って本格的に写真に取 り組み、国際写真サロンや日本カメラクラブ協会展などに入選を繰り返し北海道の有力な作家として注目されて いました。とくに1939(昭和14)年に『アサヒカメラ』が主催した「海洋写真展覧会」で一等を獲得した ことで、一躍「海洋写真家」としてその名前が全国に知られることになります。しかし1941(昭和16)年 6月、北千島航路の蛟龍丸に乗り組み海難事故に遭い、帰らぬ人となってしまいました。

 木滑龍夫の海洋写真は、荒々しい海の相貌をダイナミックにとらえ、船の乗組員であるからこそ可能な表現を もっています。それだけでなく北海道の人々の生活の断面をスナップショットのまなざしで切り取った写真や風 景、造型的な表現にも木滑独自の世界が見て取れます。

 関係者のもとに長く埋もれていた木滑龍夫の写真は、1930年代に確立し展開していった日本の近代的写真 表現の優れた一断面を示すものと言ってよいでしょう。本展覧会が、木滑龍夫という幻の写真家の再評価の機会 となれば幸いです。





□木滑龍夫 (キナメリ タツオ)経歴

1897年 東京、東大久保に生まれる。中学時代から写真に親しむ。
1923年 海軍を除隊後、函館の常盤汽船会社に入社。
     無電局長として常磐丸に乗り組む。
1930年頃から、本格的写真に取り組む
1941年6月13日 
北千島へ向かう蛟龍丸に乗り組み、海難事故に遭い死去。




展示作品
ヴィンテージ・プリントによるオリジナル作品 約20点







木滑龍夫「冬の海」1930年代 
サイズ:295×250mm、 
技法:ゼラチン・シルバー・プリント



 現在改装中の恵比寿にある東京都写真美術館の専門調査研 究員である金子隆一氏を迎えて3年目の
企画展。1年目の展示は「幻の前衛写真家ー大西博」展、2年目 は「モダニズムへの道程ー写真雑誌
『白陽』に見る構成派の表現」展と、写真の歴史の流れの中で重要で ありながらも美術館規模では
あまり顧みられることのなかったテーマを画廊企画として提示して頂いてき た。写真評論・写真史家であ
る金子氏ならではの企画が続いて今回で一区切りの3回目となる。本年の展 覧会はま写真史の荒波の中に飲み込まれていく一写真家を拾い上げての写真展となる。