Memento Poly   

 
矢尾伸哉 展 
  写真と映像によるインスタレーション
 


  


   

会期=2016年10月10日[月]-10月15日[土]
会場=表参道画廊
時間=12:00-19:00(最終日17:00まで)








  タイトルのmemento ply (メメント・ポリ)は、メメント・モリ(memento mori=「いつか死ぬということを忘れるな」)という著名な警句をもじったもので、「いくつもあることを忘れるな」といった意味が込められています。
  前作の「I go to the river」に引き続き、今回も、東京都市周辺部のフィール ドワークを元にした作品を発表します。

  私たちは日々アーカィヴに取り囲まれて暮らし、また、アーカィヴする手段も繁茂しているよ うで す。膨大なアーカィヴは検索できなくては意味がなく、そして、検索できるということは、なんらかの パターンがあるということです。
  メディアに取り囲まれた私たちの視覚は、想像を超えたスピードで
パターン化されていくのかもしれません。そして、パターン化されないものは、単に忘れ去られて いく のかもしれません。
 
  今回の作品もまた、複数のフレームと1つの長めの関係という「パ ターン」に基づく作品になります。その執拗な反復の隙間に滑り込んで行く差異の意識が、今回の 展示 の賭金のようなものかもしれません。






2015−2016年
 






                          memento poly


 あらゆるアーカイヴは瞬間という概念に依存している。それが再び
読み取られる、意味=時間を割く価値をもつためには、何らかの特定
可能な点状の瞬間がなくてはならない。
 これが、私たち、文字文化に所属する者にとっての公理である。
 瞬間は、何らかの形で反復可能でなければならないが、それが特定
可能な瞬間であるためには、時間の連続線から離脱しうるものでなく
てはならない。
 固有性、同一性といった概念は、このいくらか途方に暮れる時間−
回帰連環なしにはありえない。それは、私たちが所属している壮大な
物語である。(私たちのカレンダー、閏年、閏秒。)
 この回帰は美しく、同時にいかがわしい。
 memento poly=複数であることを忘れないこと。これは不可能な命令
だろうか。
 記憶というアーカイヴは、思い出すその度に、複数性を暗黙のうち
にしりぞけるだろう。複数性は瞬間の回帰の運動の中でバラバラにな
るだろう。ちょうど私たちが、「誰でもない者」であると同時に「他
の誰でもない者」であることが困難なように。
 それでも、人は、忘れていることを思い出しはしないだろうか?
ちょうど、語りえないものがあるから語るように。









□矢尾伸哉

1969年生まれ。
写真・映像を中心として、視覚的アーカィヴをテーマとした作品を制作・発表。

[個展]

2015年10月 表参道画廊
2013年 10月 表参道画廊
2012年10月  MUSEE F
2011年11月  MUSEE F
2011年  2月 MUSEE F
2008年  2月   西瓜糖
2007 年 2月、7月、8月   西瓜糖
2006年  4月   西瓜糖
2005年  9月   西瓜糖
2005年  3月Gallery ART SPACE
2003年  3月   Gallery ART SPACE



[グループ展]
2014年 7月 表参道画廊
2012年 5月   表参道画廊
2006年 7月 豊科近代美術館
2005年 6月 Gallery ART SPACE
2004年12月 前島アートセンター
2004年  3月 Gallery ART SPACE