村田 真
  「平成の美術ジャーナリスティック」


 



会期=2019年9月2日[月] - 9月14日[土]・日休
会場=表参道画廊+MUSEE F
時間=12:00-19:00(最終日17:00まで)
レセプション=9/2(月)17:30-19:30
アーティストトーク=9/7(土)17:00-18:00  入場無料  
企画=竹下都+表参道画廊

      




 
 30年続いた平成が終わり元号が変わった。村田真はその平成を丸ごとジャーナリスティックな視線で美術の 世界に居た。いやその前の昭和には美大で教育を受け、社会に出て美術ジャーナリストとなっている。バブル景 気もその崩壊も経験し、その間日本の、世界の美術の動向をどん欲に観て回った村田真、その画家デビューは 2005年。ジャーナリストや教育者としての活動も平行して継続している。

 この春、初期からアトリエとしている横浜を訪ねた。大小の作品が飾られたアトリエの壁は、オリジナルな姿 を見る事は出来ないくらい、びっしりと作品群で埋まっている。15年弱の間に何点描かれたのだろう。いくつ かの系統に別れた作品群、それらのモチーフは、全て既成の絵画や美術作品のイメージから得ている。しかし模 写ではない。オリジナルな絵画が複製となり、それを観る画家の視線は、幾重もの重層的なレイヤーとなって表 現される。可視化された作品は、美術史への言及となり、多くの示唆を与えるものとなっている。

 そういえば、研究者ではないのに、何と豊かな美術史を自身の体内引き出しに収めて、独自の思考で自由な表 現(言葉で、絵画で)をしているかと感心する。それは80年代に出合った時から現在まで一貫して変わること はない。「とにかく描く事が好き」との作者の思いは何にも変えられない。本展では新作を含めて約50点の作 品 を、二部屋で展開する。鑑賞者もジャーナリスティックな視線で村田真の作品を覗くのを、作者は期待している かも知れない。
  
                           竹下 都






アーティスト・ステートメント


「平成の美術ジャーナリスティック」

 以前、ある人がぼくの作品を「ジャーナリスティック」と評したことがある。彼はぼくが「美術ジャーナリス ト」を名乗っているためそう評したのだが、ぼく自身は絵画制作とジャーナリストの立場を切り離して考えてい たので、意表を突かれた。それに「ジャーナリスティック」というと、「軽々しい」「時流におもねっている」 「扇情的」といった負のニュアンスが感じられるものだ。

 でも考えてみれば、たしかにジャーナリスティックと受け止められるような絵を描いているのも事実。画集を そのままタブロー化したり、戦争画を縮小コピーしたり、名画の上半分だけ描いてみたり……。モチーフはいつ も「絵画」であり、「芸術とはなにか」をテーマにしている。だから「なにを描いていますか?」と聞かれる と、「『絵』を描いています」としか答えようがない。そのため「芸術としての芸術」を目指したつもりが、 「芸術についての芸術」について右往左往している。

 ならばいっそのこと、思いっきりジャーナリスティックな「芸術についての芸術」に浸ってみようか。ぼくが 美術ジャーナリズムの世界に足を踏み入れたのは1977年のことだから、もう42年。その4分の3は平成の 時代になる。この間に見聞きした古今東西の美術に関する出来事や事件を渉猟し、描いてみた。ただ「描く」だ けでなく、それぞれにコメントを付すことで美術ジャーナリストとしての「書く」作業も満たすことにしした。 だからこれは美術ジャーナリストのぼくと、画家のぼくとのコラボレーションでもあるのだ。

 大きいほうのギャラリーでは「平成の美術ジャーナリスティック」を、小さいギャラリーではそれ以前の「美 術ジャーナリスティック」を展示する予定です。

                           村田 真

                      
 







■村田 真(むらた まこと)

1954 東京生まれ
1977 東京造形大学絵画専攻卒業。ぴあ入社、美術担当
1984 ぴあ退社、以後フリーランスの美術ジャーナリスト
朝日新聞、北海道新聞、artscapeなどに執筆。慶応義塾大学、東京造形大学、実践女子大学非常勤 講師、BankARTスクール校長も務める 

個展
2009 ZAIMギャラリー、横浜
2011 世界の巨匠シリーズ ナディッフギャラリー、東京
     絵画芸術 BankARTスタジオNYKブックショップ+新港村、横浜
2017 『プチ戦争画』シリーズ SNOW Contemporary、東京
2018 上の空 SNOW Contemporary、東京

グループ展
2011 任意の点を「R」とした展覧会 竜宮美術旅館、横浜
     表現するファノン―サブカルチャーの表象たち 札幌芸術の森美術、札幌
     The Civilization 銀座西欧ギャラリー、東京
2012 BOOK - Chapter1 MA2ギャラリー、東京
     一枚の絵の力 ナディッフギャラリー、東京/日和アートセンター、石巻 
2013 The HUMANISATION 東京都美術館、東京
     新しい壁 WALLS TOKYO 2F、東京
2015 戦争画STUDIES 東京都美術館、東京
2018 トリビュート・フジタ 東京藝術大学陳列館、東京
2019 シャルジャ・ビエンナーレ14、アラブ首長国連邦









《窓辺で》2018 キャンバスに油彩 415x645mm



《裸体像》2018 キャンバスに油彩 58x89mm 


《画歴3》2012  キャンバスに油彩 910x910mm        



《しんぞう》2013  キャンバスに油彩 112x162mm