篠田優写真展「Wakes」

   


 


会期=2020年1月20日[月] - 2月1日[土]・日曜日定休・祝祭日開廊
会場=表参道画廊
時間=12:00-19:00(最終日17:00まで)
主催= 明治大学大学院理工学研究科建築・都市学専攻総合芸術系 倉石信乃研究室、表参道画廊   

トークイベント=1/25(sat) 18:00~
倉石信乃(詩人・明治大学教授)と篠田優によるトーク(入場無料)

      




展 覧会概要

篠田優は1 9 8 6 年生まれ、長野県出身で、主に東京を拠点に活動する写真家です。
本展では2 0 1 7 年、銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロンにて発表された「S e e / S e a 」から継続して撮影されている、三浦・房総という二つの半島に残された、海防のための遺構を主なモチーフする写真群の新作を発表いたします。

江戸・幕末期の砲台跡や、太平洋戦争時の洞窟陣地を巡る作者の歩みは、現在の土地における水平的な 移動とともに、大海のような深みを持つ歴史を垂直的に重ね見る、旅のようです。本展「W a k e s 」は、その軌跡を示す、現在進行形の写真群やテキストによって構成されます。

どうぞご高覧ください。





作家テキスト

鶴嘴か鑿か、ともかく尖った金属によって穿たれたのであろう幾条もの溝。
暗がりの半ばで開口部へと、光が差し込む方に向かって、振り返った私が見たものはそれらであった。
膝に土を擦り付けながら奥へと進んでいくときには気づかなかった。
逆光がまるで逆撫でるように、それら岩肌に残る跡をはっきりと見えるようにする。
光によって目覚めるものたちが確かにいる。

或る女性の示唆によって、航跡を示す英語の一つがW a k e であると知ったとき、わたしは壕の壁や天井にあたる部分に残されていた、掘削痕のことを思い出した。
洞窟の内、その冷えて湿気た空気を肺に満たす者にとって、外の世界とは、網膜を白く焼く逆光として在 る。
そのような光が、世界が、自らの死のために用立てる束の間の隠れ家を、その手で形作らなければならな かった者たちの過ごした或る時間を、起こし、立ち上がらせるのだ。
夥しいW a k e を湛えた、暗がりの航跡図を、しばらく見ていたそのことを、たとえわたしが忘れたとしても、写真は忘れないだろうか。






篠田 優 / SHINODA Yu

1986 年長野県生まれ、現在東京都在住。
現在、明治大学 大学院 理工学研究科 建築・都市学専攻 総合芸術系に在籍。

主な受賞歴として、2012年EINSTEIN PHOTO COMPETITION X2 岩瀬貞哉賞、2013年塩竈フォトフェスティバル写真賞 大賞がある。

〔個展〕
2019 「wakes」(ととら堂 / 神奈川)、「text」(Alt_Medium / 東京)
2018 「Voice(s)」(からこる坐 / 長野)、「航跡図」(Alt_Medium / 東京)
2017 「See / Sea 」(ニコンサロン / 東京・大阪)、「ひとりでいるときのあなたを見てみたい」   
(Alt_Medium / 東京)、「写真へのメモランダム」(Alt_Medium / 東京)
2016 「Medium」(trace / 京都、ビルドスペース / 宮城)
2015 「Medium( six or forty photographs)」(平間写真館 TOKYO / 東京)
〔グループ展〕
2017 「 信濃美術館クロージング ネオヴィジョン新たな広がり」(長野県信濃美術館 / 長野)
2016 「 (PERSONAL)DOCUMENTS PROJECT」(Gallery Sijac / 韓国)ほか
〔出版〕
〔WEB-site〕
http://www.shinodayu.com/