SENKO
        Lucifer Photo Exhibition


 



会期=2020年9月14日[月] - 9月19日[土]
会場=表参道画廊
時間=12:00-19:00(最終日17:00まで)
   


      







  ヒトは、時を切り刻み続けている。24等分にして、さらに60等分している。さらに細かく、認識できな いくらいの速さにまで刻んでいる。そしてカメラは、ヒトが刻み続けた単位で、シャッタースピードを切っ ていることになる。今回の作品は、ヒトがつくった基準の時間で切り取った、一瞬の表情をとらえた作品と なる。線香花火は、着火して終焉をむかえるまで、1分ほどである。その1分は短いだろうか?長いだろう か?自分の手で持ち、線香花火に火をつけると、火の粉が花の様に、パチパチと音を立てて四方八方に広が る様が目の前で広がる。徐々に火の粉の勢いがなくなり、やがて終焉を静かにむかえる。それが、切り刻ま れた時間の中の線香花火は、着火すると先端の和紙から勢いよく燃え始め炎を上げる。やがて真っ赤な火球 を作り、これから開花しようと力をためる。まるで桜の開花を待ちわびるような時間がそこには流れてい る。そして徐々に火の粉を飛ばしていき、どんどん勢いを増して、閃光が力強くなり、幾千も枝分かれし、 様々な花の形を作っていく。やがて閃光は徐々やわらかくなり、音もたてず美しく光の線を落としていく。 まるで、花びらを散る様を見ているようだ。その後、静かに燃え尽きて終焉をむかえる。
1分間の中に生命力を感じ、美を感じ、二度と同じ形をみることができないという奇跡を感じるのだ。
ヒトにとっては、1分間の出来事にすぎないが、線香花火にとっては、一生を駆け抜けた尊い時間だと思 う。


尊い時間をそのまま切り取り、一連の物語をなぞった作品と、別の観点として、線香花火が 作り出した偶然 の産物をいくつか組み合わせ、フォトモンタージュとして、新たな線香花火の表情を作り上げていった。
当初はそういった作品構成で作る予定はなかったが、2020年の恐怖に晒された世界を目の当たり に、時 の流れは誰にも止められないし、ヒトの認識を超える事態が迫ってくることを肌で感じた。そんな状況のな か、線香花火の温かみのある赤とも橙色とも言えない色が並んだ写真ばかりだと、鎮魂の色が濃くなる と思 い、フォトモンタージュの作品を加えることとなった。加えて、江戸時代から続いている隅田川の花火大会 も中止となり、今年の日本の夏は、打ち上げ花火が上がらない夏となるのである。何か夏の風物詩を奪 われ てしまった気持ちになった。そこへ希望をこめて、自分で感した線香花火の美しい表情を引き出し、フォト モンタージュとして表現している。新たな線香花火の表情と、ギャラリーの壁面の全面を使い、大きく 引き伸ばされた線香花火の細部の表情を見ていただき、少しでも希 望を持っていただけると幸いである。










■須田 Lucifer 照紗

2019   The Day Tokyo Dress 2019 series 2
2018   Tokyo Dress /SOZO HAIR & MAKE
2018   Tokyo Dress / 表参道画廊
2015   Negative/ アートトレイスギャラリー




SENKO 2020  ©Lucifer



SENKO 2020  ©Lucifer